2016_12
28
(Wed)10:54

DYちゃんの楽曲解説~「the division」 & 「イバラ」~

今年も押し迫ってきましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか?僕は相変わらず年末という感じがまったくしてません。車の通りや町の雰囲気はすっかり年末だと思うんだけど、なぜ自分はこんなにも落ち着いているのか?そのことにあせったりとわけのわからない心理状態だったりします(笑)
そんな中、ブログでの報告が遅れました。改めて明日ぐらいにちゃんと宣伝エントリーを書きたいと思っていますが、僕のアルバム、JOIN CIRCLEが無事12月25日、リリースになりました。リリースカウントダウン放送からたくさんの人にお買い求めいただけて嬉しい限りです。
この場を借り手ではありますが心から感謝申し上げます、どうもありがとう。自画自賛になっちゃいますけどいいアルバムができたなって思うので、もっともっとたくさんの人に触れてほしいなって思います。今までの出会いにもそうだし、これからの出会いにも送りたいそんな1枚。よろしくお願いします。
そんな今日もアルバムから1曲解説したいなと思うんですが、上で前向きなメッセージをしたためつつ今日はちょーネガティブな曲のことを書くよ(笑)ということでアルバムのオープニングを飾っていますイバラという曲をメインに。ただ形式上イントロダクションのインストから繋がってのイバラなので1曲目のthe divisionと合わせていかせていただきます。
まず「the division」から。JOIN CIRCLEってアルバムの1曲目がdivisionでびっくりさせちゃった人もいるみたいですね。Joinとはまったく正反対の「分ける」とか「分断する」みたいな意味合いのタイトルなので。順番的にはイバラが先にできていたんですが、あとにも書きますけどけっこう奇抜というか過激じゃないっすか(笑)
イバラをどこに入れるにしても浮いちゃうなと思ってイントロダクションのインストを作ることにしました。結果的に頭になっちゃった(笑)それでこれですが、自分が失明したその事実を作品として作ってみようと思って。おぼろげながら視力があったその世界から闇の世界に落とされる感じ?
自分の中で11歳に左目を失明してから家族や主治医の先生にも「右目を大事にしようね」って言われて、でもX dayはいつか必ず訪れるというのは予告されていたんですね。14歳ぐらいからなんとなくその兆候があって、17にもなると目の前がぼんやりかすんでほとんど見えなくなることも増えてきてた。
真綿で首を…じゃないけどそんなじわじわ迫り来る恐怖みたいなものはあったんだけど、なんでもない日常の中にそのX dayは突然訪れたっていうのを曲にしてみました。冒頭のカーテンと窓を開けるシーンはオリンパスのLS-14っていうICレコーダーで収録してます。伝わらないかもしれないけど大雨だったんですよこの日。
雷までは鳴ってなかったけどむちゃくちゃ降ってて。実際僕に訪れたその日はいいお天気でしたけど、曲の雰囲気としては雨の音のほうがいいかなって思って、朝4時にせっせこ録音しました。部屋の中から聞こえる外の雨っていう日常を感じてもらえる音にはなってるかも。
アウトロのうめいてるような過激な音はSYNTH-1で作ったものです。作ったといってもシンクリード系の音を少しエディットしてより奇抜にした感じなんですけど、「こんな音も出せるのか」って出来上がってからびっくりしましたね。
ここから繋がってのイバラになりますが、プログレというかシンフォニーロックっていわれるジャンルのテイストを盛り込んだ、アルバム冒頭からなかなかに攻めた曲になってますけども(笑)どう考えてもアルバムオープニング曲ではないよねこれ。
いいんです、おれのアルバムだからおれがルールブックです。そういうジャンルなので、いわゆるポップスなんかのわかりやすい「Aメロ、Bメロ、サビ」っていうのを根本から無視してます。前半のラップ…というか語りというかそのパートと、後半の稲妻シャウトパート。
どこがAメロでどこから転回してどこがサビなのかとか、もうそんなことはどうでもいいです。それゆえ試聴用の動画作るときはどこを切り出すかで一番悩みましたね。そして暴れるだけ暴れといて最後「だめだなこりゃ」って言って終わるっていうね(笑)
あの最後の一言は、海外のハードロックとかヘビメタのオマージュだったりします。そんなに詳しいわけじゃないんだけどデスボ系の曲の終わりにため息つきながら一言なんか言って終わるとかいうのがあるじゃない?あれを僕なりにやってみたのもあるし、本当に「だめだなこりゃ」って思った曲でもあったから…いろんな意味で。
これはベーシックのセクションをほぼほぼJUNO-Gだけで作りました。前半はいろいろ壊れた音が鳴ってますし、イントロから聞こえるギターリフの音もうまく作れたなって思ってます。もともとは綺麗なベル音なんだけどあえてビットクラッシュでギザギザの音にしたり、とにかく汚い音にこだわったかな?ストリングスも緊迫感があるものが作れたんじゃないかと思います。
後半のパートではiPhoneのGarageBandからAppleのギターのループを幾つか引っ張り出してきて重ねましたし、リードギターの音はThumbJamっていうアプリの音をより壊れた感じにしたくって、ギター系のエフェクトをいじって使いました。だいぶとんがってますけど、まさにイバラって感じの音にはなったんじゃないかな。
さて、歌詞ですが…前回の曲解説、DREAM CIRCLEのときも書きましたけど、僕ってどちらかというとネガティブ思考が強い人間なのです。でも僕は音楽が大好きだしいつも元気をもらっているし、自分が作る音楽も誰かにとってのそれでありたいなっていうのは作り始めてからずっと考えてきました。
ですがこの曲に関してはとことん後ろ向きでいいんじゃないかと思い切りました。あえて自分の目の子と、障害のことについて書いてみようと思ったのがイバラです。まーきっかけとは言えないかもしれないけど、僕が独学で作曲を始めた頃に学校の授業の一環で人権学習みたいなものがあって、そこで障碍者や集落の差別に苦しんでいる人たちで結成したバンドの曲を聞く機会があったんですね。
音楽室でみんなで黙って曲を聞いてるんですけど、授業中だったか終わってからか忘れましたが先生がつかつかつかって僕のとこにきて、「なーDY。おまえも音楽作るならこういうのを作らないとだめだぞ」みたいなことを言うわけです。授業中もずっと居心地悪かった僕としてはその先生の一言がずっと引っかかっていました。その居心地の悪さをどう文字にしたらいいのか、今でも僕には答えがないんだけど。
「手足がなくたって僕たちは負けない」「○○ちゃんと遊んではいけないって言われた」などなどそんな歌詞が並んだ曲たち。確かにストレートだし前向きな力は込められているけど「綺麗過ぎる」って感じたのもあるのかも。感動を誘うフォーマット満載というか。「どう?僕たちすごいでしょ?泣いてよ」じゃないけどさ(笑)世の中に求められている障碍者像っていうのが僕は嫌いなんだよね。
彼らの音楽に向き合う姿勢だったり楽曲そのものを否定するつもりはぜんぜんないんだけど、僕は自分の作るものでそれをやるのはいやだと思ってきました。でもこのイバラではあえて、その居心地悪さに対する僕の答えを一つ書いた感じです。「障害に負けない」って思ってがんばってる裏ではわりとネガティブな感情満載ですよ…じゃないけどさ。
「なんでおれだけが」とか「なんで理解されないんだよ」とか「どうせおれなんか」みたいな感情渦巻く中で必死にもがいてる障碍者、わりと多いぜって話。その中から、名前出して申し訳ないけど乙武さんみたいに世間に飛び出せる障碍者なんてほんのひとかけら。がんばりたくてもがんばれない、がんばり方がわからない障害者、多いです。
「障碍者は努力の人?ばかこくでねー」って歌ですね(笑)そういう、世の中に求められている障碍者に対する理想だったりイメージ、偏見に挑戦してこうじゃないけど、「僕が自分の障害のことやそこに対して思っていることを歌にするとこうなる」っていうのは一つ提示できたと思います。僕のお友達でも視覚障害者の人いっぱいいますが、イバラ聞いて歌って一緒に吼えましょう(笑)
この曲ですがJOIN CIRCLE収録の他、BIG UP! FREE(旧muzie)にも公開しています。BIG UP! FREEに公開のバージョンは前曲の余韻なく始まるバージョンになっています。先日の熱帯夜もそうですが会員登録いただくとフリーDLもできますので、あまり一般受けはしない曲ですが(笑)もしよろしければ聞いてください。
イバラ
作詞、作曲、編曲、山本大輔

唐突な痛みに歪んだ闇の中立ち尽くす
動けない背中をまるめて只管に呻いてる
求めたい伸ばした両手はどこまでも空を切り
閉ざされたこの世界はなぜ僕だけを選んだの?


一歩ずつ踏み込む時間はあまりにも長すぎて
取り囲む白夜の向こうに憧れは置き去りで
チクチクと突き刺すイバラは傷口を閉じさせず
治ること知らない肉体、足掻いては褪せる胸


偶然と必然の狭間もがいては疲れ果て
生きることさえも望めない苛立ちが燻って
孤独さえ慣れ果てた心、もう誰も信じない
浮かんでは消えてゆく夢をただ数えて


もっと遠くへ
もっと遠くへ
もっともっと光の刺す方へ
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